かつては、新入社員で入社した企業に定年退職まで勤め上げることが美徳とされていた日本。
今では時代の流れに合わせて柔軟に自分らしい働き方が求められるようになった。
連日書店に並ぶ雑誌には「カラダの休め方」「脳のリセット法」などの特集が組まれるほど!
何もしないためにも「技術」が必要になってしまった今、
「転職」が頭によぎる人も少なくはないだろう。
あまり知られていないが、タイの象ほど、時代の波に合わせて上手にキャリアチェンジをしてきた動物はいない。
タイにおける象は、「幸運」や「平和」の象徴とされており、日本でいうところの招き猫ポジション。
いや、それ以上!
現代でもしっかりと国民の暮らしに密着している「国のシンボル的存在」である。
昔は立派な“戦士”だった。
甲冑をまとい、王様を背に乗せて戦場を駆け抜ける。
かつてのタイ(アユタヤ王朝など)では、戦いの最前線に象を繰り出すものの、勝敗を分けるのは剣の腕前ではなく、象の機嫌だったという話もあるそうだ。
戦がなくなると、象は森に移って“現場作業員”へ。丸太を運び、林業を支えるタフな肉体労働。
これもまたチークの伐採規制がその職場も縮小してしまう。
そこで次に選んだのは、観光地としての需要に合わせた“エンターテイナー”。
観光客を乗せて歩いたり、サッカーをしたり、時には筆をくわえて絵を描いたり。
頑張っていたけれど、動物福祉の観点から見直しの声が高まり、象たちのキャリアはまたも転機を迎えることに。
そして令和の今、象たちの最新の職場は“癒しのセラピスト”。
森の中にある象の保護区で、のんびり水浴びしたり、バナナ食べたり…
本来の自然に近い環境下で、観光に訪れた人々には象の生態を学び、食事の準備を手伝うなどして触れ合うプランが人気なのだそう。
これはもう、華麗なる転職。
第二の人生を謳歌しつつ、動物も人間も思いやりの中で共存する方法を見出したのだ。
戦士から労働者、タレントを経てセラピストへ。
もはや令和を生きるインフルエンサーのように華麗なるキャリアチェンジを成功させている象。
時代とともに役割は変わっても、象は今もタイ人の心のそばにいる存在。
今日もこの刺繍ポーチをお守りのようにバッグに入れて、満員電車に揺られて営業へ出かける。
時代と共にキャリアを見直すことも、大事なのかもしれないと象に教えられた気がした朝だった。
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